うさぎの耳より情報 No.198 鳥獣戯画のうさぎたち

2021年09月15日

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皆様、こんにちは。
最近、すっかり涼しくなってきましたね。今回は「芸術の秋」にちなんで、絵画の中でも日本一有名といっても過言ではない、鳥獣戯画のうさぎについてお話します。

鳥獣戯画の正式名称は、「鳥獣人物戯画絵巻」。京都の高山寺に所蔵されている国宝で、擬人化されたうさぎや蛙、猿などが活き活きと描かれている平安時代の絵巻です。そのユーモア性と動物を擬人化した描写から、日本最古のマンガとも呼ばれています。 全部で4巻ありますが、作者は不明で、さまざまな改変をたどって、今の形になったと考えられています。絵のみで内容を示す文字がないため、解釈にはさまざまな説があり、その謎は未だ解き明かされていません。

実は、私たちがよく目にする擬人化されたうさぎがいるのは、1巻目だけ。 でもなぜ、1巻目だけが有名なのでしょう? それは作品を見るとよくわかります。他の巻では、擬人化されていない動物や人物が描かれているのに対し、1巻目は動物たちが水遊びをしたり、弓を射ったり、相撲を取ったり。ユーモアたっぷりの人間らしい動きと、豊かな表情に惹きつけられるからではないでしょうか。 他にも皆で宴の準備をしていたり、うさぎが猿の僧侶にシカやイノシシを贈っていたり、追いかけっこしたり、さまざまなゲームに興じていたり、とさまざまなシーンを楽しむことができます。

ところが、1巻目をよく見てみると、ストーリーに一貫性がなく、ところどころ継ぎはぎされているのがわかります。鳥獣戯画は高山寺が原本とされていますが、それ以外にも鳥獣戯画を写したと思われる模本には、原本にはないストーリーが描かれていたり、絵巻から切り離されたとされる断簡も見つかっています。 これらを合わせると、もしかしたらこれまでにはないうさぎの物語が見えてくるかもしれません。そんな謎めいたところも、今も昔も人々に親しまれる理由かもしれませんね。

次回もうさちゃんのうんちくをお話していきます。お楽しみに!

hibishippo:15:50
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